ニコニコメドレーの作り方【Macユーザー向け補足編】
この記事は
「ニコニコメドレーを作ってみたいけどどこから手をつければいいかわからない!」
「別に作りたくは無いけどどうやって作ってるのかは知りたい」
という方でニコニコメドレーの作り方の記事を読もうとしたら
......は?
となってしまったMacユーザーのあなたに向けて書いた記事です。
当該記事上に登場するMac上ではできない/面倒臭い操作について、その代替手段を紹介します。
書き手について
名前:S.ベリー(えすべりー)
何してる人?:ニコニコメドレーを作る人。ごく稀にニコニコメドレーを作っています。
制作環境:iMac (Retina 5K, 27-inch, 2017), MacBook Air (13-inch, Early 2015)
参考マイリスト:mylyst/28419405
補足元の記事
ニコニコメドレーの作り方【ニコニコメドレー技術編・①コンセプト】
ニコニコメドレーの作り方【ニコニコメドレー技術編・③構成/演出】
基本的に元記事を読みながら、必要な部分について当記事を参照する想定で記事を作成しています。
当記事単体では文脈に抜けがあることをご留意、ご了承ください。
【大前提として】
この記事を参考にしたい方はほとんどがニコニコメドレーを作ってみたいが、手元にあるパソコンがMac製である状態と思われます。
これが逆だと困るのですが、幸いにもMacのPCはWindowsOSを走らせることができます。
当然WindowsOSのライセンスを購入する必要はありますが、VirtualBox・VMwareなどの仮装環境を導入する 、Boot Campを利用してディスクにパーティションを作成するといった方法で容易にWindows環境を構築できます。
見つけたHow toブログのリンクを埋め込んでおきますので参考にしてみてください。
メドレー制作、DTMのためだけと考えると面倒、割に合わないと思うかもしれませんが、Windowsでしか動かないソフトは山ほどあります。
Windows向けしか存在しない解説記事も山ほどあります。シェア率とは時に残酷です。
その全てを一挙に解決できる可能性を秘めた方法ですので、一考の余地はあるでしょう。
これを済ませれば、あとはあたかも最初からWindowsユーザーであったかのように振る舞うことができます。
以下、どうしてもMac上で済ませたい方へ向けて、僭越ながら元記事の補足をさせていただいきます。
なんだかMacに否定的とも取れる口ぶりになってしまいましたが、私は1人のMacユーザーとして、MacPCに非常に満足しております。Winは事務作業向け、Macはクリエイター向けと評されることもありますし、創作活動目的にMacを使うことは何ら恥ずべきことではないと思います。
【音楽 / DTM技術編】
紹介されている通りreaperは必要十分なDAWソフトで、Macにも対応しています。
Win版と大きな差異なく使うことができると思いますが、Macには無料のDAWソフトが初期装備としてインストールされています。
その名もGarageBand。
iPhoneやiPadでも作曲/演奏アプリとして馴染みがあるんじゃないでしょうか。
GarageBandはVSTの代わりにAU(Audio Unit)という規格のプラグインを使用します。
有名どころは1つのプラグインに対してWin-VST/Win-AU/Mac-VST/Mac-AUと複数の形式で提供されている場合が多く、このうちMac-AUをDLして使用します。
・Synth1......Mac-AU版なし
・SANA 8BIT VST......Mac-AU版あり
・DRUM PRO......Mac-AU版あり
そもそもGarageBandには即戦力の音源ソフトがたくさん入っているため、外部プラグインに頼らずとも高水準な打ち込み音源が作れます。
一方で、拡張性という観点ではreaperに分があるかもしれません。
有償DAWであるLogicへのアップグレードがシームレスな点などメリットは沢山ありますが、どのDAWを選ぶかは個々人の判断にお任せします。
ここでは、GarageBandの使い方を元記事レベルまで解説します。
①起動するとプロジェクト選択画面が表示されます。空のプロジェクトを選択します。
②最初に追加する音の種類を聞かれます。ソフトウェア音源を選択し作成します。
③トラック>プラグインからE-Pianoのプルダウンを展開し、目的のプラグインを選択します。
画面左側にあるライブラリから内蔵音源を選択することもできます。
④ボリュームフェーダーを下げて、-6 ~ -12 dbにします。
⑤トラックを右クリックし空のMIDIリージョンを作成を選択します。
箱の右端の下半分(<]>)をドラッグ&ドロップし、適当に伸ばします。
⑥左上のハサミマークをクリックするとピアノロールが表示されます。
⌘を押しながら左クリックorドラッグでノートを打ち込めます。
通常の左クリックで選択、ドラッグで範囲選択ができます。
⑦(耳コピや打ち込みは省略。頑張ってください。)
⑧トラックを追加するには、トラック名が並んでいるところで右クリックし、
新規ソフトウェア音源トラックを選択します。
⑨ドラムの打ち込みも同様に行えますが......
GarageBand(とLogic)ではこの手間を大幅にサボることができます。
新規Drummerトラックを追加し、遊んでみてください。
直感的な操作で、手軽にそれっぽいドラムパターンを生成できるはずです。
⑩上部のツールバーよりファイル>保存で保存ができます。
曲を書き出したい時は共有>曲をディスクに書き出すで形式選択画面に移ります。
【技術編・⓪総合】
このページでの躓きポイントは動画制作です。
通常、MacでAviUtlは動きません。
AviUtlは割と何でもできちゃう(らしい)し各種プラグインによる拡張性に富み、しかも無料という頭のおかしいソフトウェアです。
アマチュアMacクリエイターはまずこの壁に絶望するのではないでしょうか。
結論から言いますと、いわゆるMedlay-PVやグリグリ動く動画をMac上で無料で作るのは諦めて下さい。
ここでは代替案というよりも、妥協手段や有料の方法を紹介します。
無料で完結させたい場合
①Javie Javie プロジェクト日本語トップページ - OSDN
AviUtlと双璧を成す[要出典]無料の動画編集ソフトで、動画にエフェクトをかけたり3D制御した短い動画素材を作ることが得意です。
エクスプレッション制御機能があり、関数を用いた自動化が可能です。
動画素材同士を繋げることも可能で、これが使えるならこれを使えば良いでしょう。
ある時期より新しいMacPCは古いバージョンのJAVAが走らなくなりました。
新しいJAVA環境では、太古に開発が停止しているJavieは動きません。
Javieは死んだんだ いくら呼んでも帰ってこないんだ もうあの時間は終わって、君も人生と向き合う時なんだ
GarageBandと同様Macに初期インストールされている動画編集ソフトです。
使用できるレイヤー数があまりに少なく、画像とテキストを配置したらそれでおしまいです。
当然ですがアニメーションはできません。
後に紹介するFinal Cutへの導入と捉えるのか良いかもしれません。あまりに別物ですが。
とはいえ、画像や動画に音声とテキストを乗せることはできますので、最低限の動画であればこれで作ることができます。
同じくMacに初期インストールされているソフトで、本業はスライドショー作成です。
Macユーザーであれば無料で使えるPowerPoint、という認識で大きな間違いはありません。
こちらは動画素材の扱いに難がありますが、各オブジェクトにアニメーションを設定しスライドショーの要領で表示画像を切り替え、それを動画形式に出力することができます。
拙作、バンドリ一周年記念メドレーの動画は全てKeynoteで作成しています。
音源とのタイミング合わせのみ後に紹介するMotionを使用しましたが、iMovieでもできます。
こういう動画でよければ単純作業の繰り返しで作れますし、工夫次第で凝った動画も可能でしょう。
2016年まとメドレーでもKeynoteは活躍しました。
テキストは全てKeynoteで制御しており、生前のJavieでブルーバックのクロマキーで動画素材と連結、音合わせをしています。
拡張性や柔軟性に欠け、後から演出を変更するのに異常な手間がかかるのが欠点です。
この手間を嫌ったためバンドリメドレーでは曲名表示がおざなりになってしまいました。
④Filmora(体験版) 動画編集・作成ソフトのおすすめ!|Wondershare Filmora9(フィモーラ9、旧名:動画編集プロ)無料ダウンロード
製品版永続ライセンス:¥13.980-(記事執筆当時)
代替品を求めて「AviUtl mac」でGoogle検索するとトップに出てくるソフトです(記事執筆当時)。
こんな動画を作ることができるようです。
(銀河P様、掲載許可ありがとうございます!)
メドレーの動画作れた!! pic.twitter.com/CLCdRv8ZK9
— 銀河P (@galaxy14141356) 2020年4月13日
基本的な機能に加えてシーンチェンジなども備えているようで、Keynoteでアニメーションの時間をコンマ単位で調整するよりよっぽど手軽でハイクオリティになりそうです。
タイムラインでの編集やアンカーポイントを用いた制御ができるのは、動きのある動画を作るにはやはり必須でしょう。
非常に主張の激しいロゴが気になりますが、Bandicamよろしく逆にネタとして昇華できるかが鍵になりそうです。
あるいは、左上1/4の領域だけで動画を完結させて別ソフトでクロップすると...?
無料体験版(機能制限版)を許可するなら他にも選択肢はあるでしょう。
今回紹介するのはこちらのみとします。
有料でもいい場合
①Final Cut Final Cut Pro X - Apple(日本)
¥36,800- (記事執筆当時)
Macの動画編集ソフトウェアといえばこちら。
プロレベルユーザー御用達のソフトウェアで、はっきり言ってオーバースペックです。映画が作れます。
どちらかといえばテキストエフェクトや動画素材同士を繋げていくことが得意で、細かいアニメーションは後述のMotionに任せるというスタンスです。
高価に感じますが、Adobe製品と比較して買い切りということを考えればあながち悪くない話だと思っています。
機能制限無し30日間無料トライアルが用意されているため、やりたいことができるか確かめておきましょう。
非常に黒寄りのグレーな方法で、実質無期限に無料で使い続ける方法があると噂で聞きました。知りません。
②Motion Final Cut Pro X - Motion - Apple(日本)
¥6,100- (記事執筆当時)
私が所持している唯一の有償動画編集ソフトウェアです。
エクスプレッション制御機能のないJavieという表現が一番しっくりきます。
より直感的な操作が可能になっている反面、シビアな調整には少々手間がかかる印象です。
Final Cutと合わせて使うことが想定されたソフトのため比較的安価です。
様々なアニメーションや3D制御、オブジェクト同士の物理演算まで可能で、動画素材同士を繋げることもできます。
個人的にはとてもオススメです。
ちゃんとした使用例をお示しできないのが残念ですが、現在制作中のメドレーはこのMotionをメインに動画を準備しています。
バンドリの今度の大型アプデのlive2dモードの予告動画見て作ってみたけどこんなもん動画編集ソフトで制御しようとしちゃだめだなUnityあたりでプログラム制御するべき
— S.ベリー (@Sberry911) 2020年3月6日
あと影の処理がよくわからん(手前に影を出そうとするとイラスト面が暗くなってしまう) pic.twitter.com/ZniAyjrPcT
3D制御や、簡単に扱える自動化処理を活かしたコスパの良い演出を主軸に組み込む計画で、投稿次第追記したいと思います。
YouTubeにデモやHow toが多数アップされているので参考にしてみてください。
【技術編・①コンセプト】
補足が必要な内容は特にありません。
先に動画の例で紹介した16デキゴトレンドは、
「ニコニコ動画の文化に詳しくなくても"まとメドレー"がしたい!」
というコンセプトで作られました。具体例の1つとして参考まで。
【技術編・②選曲】
補足が必要な内容は特にありません。
先に動画の例で紹介したバンドリ! Girls Medley Party! -1st anniv. edition-は
「1周年時点でアプリ版バンドリで遊べる100曲を全部入れる」
「バンドリに関係ない曲は入れない」
というコンセプトを兼ねた選曲になっています。具体例の1つとして参考まで。
【技術編・③構成/演出】
補足が必要な内容は特にありません。
ニコメドDJMという企画で私たちが制作したメドレーもう歌ってます!は
「飽きをケアし、各々のブロック毎でアレンジに大きめの落差をつける」
「処理できる情報量に抑えるため重ねは必ずボーカル+打ち込み音」
「その上で、フレーズの空白を利用した実質重ねのラッシュゾーンを最後に持ってくる」
などの構成/演出が組まれています。具体例の1つとして参考まで。
【技術編・④繋ぎ/重ね】
補足が必要な内容は特にありません。
南北合作の私パート(24:10~)は
「リズム改変した"Marionetteは眠らない"を軸に、御三家ジャンルからリフレインを重ねる」
「前半はゼルダの伝説繋ぎ、後半はスマホゲームを中心にプレイ経験のあるリズムゲームで繋げていく」
といった共通点から形になっています。
具体例の1つとして参考まで...と言いたいところですが、私の繋ぎ重ね基準は曲同士の関連性よりも聴き心地の都合の比重が大きく、文脈的訴えかけ力は弱いかもしれません。
【技術編・⑤アレンジ】
補足が必要な内容は特にありません。
「TrapもどきのオケにCeVIOを利用してボーカルを付ける」
というアレンジとなっています。打ち込み音源だけがアレンジではないという具体例の1つとして参考まで。
【Q&A / 終わりに】
ニコニコメドレーの作り方【Macユーザー向け補足編】に関するご質問は、随時コメントやリプライで受け付けております!
Twitterへのリプライ/DMの方が比較的早めに対応できると思われます。
その質問に対する答えを補足の補足という形で本記事に適宜追記していきます。
「あんまり関係ないかも...」とか「個人的な話すぎるかな...?」といった内容でも、私のできる範囲で力になりたいと思っておりますのでお気軽にお声かけ下さい!
またMacでの活動に慣れている方は、記事の充実に繋がるためソフトウェアの使用感など情報提供いただけるととても助かります。
メドクラMacユーザー仲間が増えることを楽しみにしています!
当記事は元記事の執筆者26K様の許可および監修のもと公開されています。
私を動機付けるに十分すぎる充実した解説記事作成、また丁寧なご指導に感謝いたします。
当記事は #ニコメド記事投稿祭 に参加しています。
バラエティに富んだ記事が多数投稿されておりますので是非ご覧下さい。